リブレラの有害事象に関するFDAの通知
FDA CVMは,イヌ抗NGFモノクローナル抗体製剤であるリブレラで治療されたさまざまな年齢の犬で報告された有害事象の評価を完了しました。特定および分析された有害事象には、運動失調、けいれんや、その他の神経学的徴候(麻痺,横臥,尿失禁など,これらに限定されない),多尿多飲などがありました。。場合によっては、これらの有害事象の結果として死亡(安楽死を含む)が報告されました。 FDA は、CVM FOIA Electronic Reading Roomで、リブレラに関して報告された臨床症状の概要を含むレポートを公開しています。
STANDARD ADVERSE EVENT REVIEWの概要
報告書は、承認後(2023年5月)から2024年3月までの有害事象報告を分析し、神経学的症状(失調、痙攣など)の頻度が高いこと、ならびにそれらの事象とLibrela™との因果関係の可能性を示唆しています。 分析には、記述統計、不均衡性分析、症例集計が含まれ、ラベルへの追加情報として市販後経験セクションの追加を推奨しています。 高齢犬における変形性関節症の罹患率の高さと、併用薬の影響についても考察されています。
分析結果概要
2024年4月18日時点で、CVMのデータベースには、2024年3月31日までに受理されたリブレラに関連する3,674件の症例が含まれていた。このうち3,637件は犬からの報告であった。
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他の製品と比較して高齢犬(10歳以上)で多く報告されている(73%対18%)。
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担当獣医師によるリブレラ™との因果関係の疑いは80%の症例で、「おそらく/高い」または「可能性あり/中程度」であると報告された。
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最も頻繁に報告された臨床徴候は、運動失調(17.4%)、食欲不振(15.6%)、嗜眠(13.8%)、多飲(13.1%)、嘔吐(12.9%),多尿・頻尿(12.7%)などであった。
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これらの臨床徴候の多くは、製品ラベルには記載されていない。
Case Seriesの解析
有害事象に関する詳細なケースレビューであり、特に懸念される兆候に焦点を当てています。このセクションでは、報告された臨床徴候とリブレラとの因果関係、発症までの時間、併用薬の使用、転帰などを評価しています。
評価対象となった症状
運動失調,死亡,起立不能,筋力低下,不全麻痺,固有受容性異常,痙攣,跛行,筋振戦,麻痺,虚脱(NOS),免疫介在性疾患(IMHA, IMTP, IMPA),膵炎
これらの兆候のうち、運動失調、痙攣、跛行、筋振戦、筋力低下、不全麻痺、固有受容性異常、起立不能、死亡については、複数の兆候が報告された場合にのみ因果関係が評価されました。その他の兆候については、単独で報告された場合でも因果関係が評価されました。
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